更新日2025-06-13   公開日2020-08-15

ドイツの青い泉と木組みの家が建ち並ぶブラウボイレン。ここは、ドイツの中世の面影を残した美しい町のひとつ。幻想的な青い泉ブラウトプフは「青い鍋」を意味し、まるで鏡のような青い水面が魅力。この泉はユネスコ世界ジオパークのシュヴェービッシェ・アルプの地下洞窟と繋がっています。青い泉のほとりにある、伝統的な水車小屋では鍛冶屋体験もできます。


ユネスコ世界ジオパークの青い泉と地下の洞窟

ドイツ木組みの家 青い泉

ユネスコ世界ジオパークに認定されたシュヴェービッシェ・アルプ(Schwaebische Alb)には、カルスト地形が広がり、多くの洞窟や鍾乳洞が点在します。山肌から白い石灰岩がのぞく美しい風景はこの土地ならでは。

中でも「ブラウトプフ」は、2019年に特に重要なジオポイントとして登録されました。石灰質の土壌は雨水を地下にため込み、石灰を含む地下水が泉に湧き出します。そして水中の石灰微粒子が光を散乱し、鮮やかな青色を生み出します。

ドイツ木組みの家 青い泉

湧き出る水量は1秒間に250〜30,000リットルに及び、季節により変化します。特に水量が増えるのは雪解け水が地下に流れ込む季節。湧水の水量や天候により、青い色にも変化が見られます。そして、この写真のように、白みを帯びてパステルブルーになることも。

ドイツ 青い泉 木組みの家

1957年、2人のダイバーが泉の底を22メートル進み、洞窟を発見。その後の調査で、11km以上に及ぶ広大な水中の洞窟や鍾乳洞も発見され、調査は現在も続いています。ブラウトプフの入口には水中洞窟の写真や詳細が書かれた案内板があります。


鏡のような青い泉のほとりで鍛冶屋体験を

ドイツ 青い泉 木組みの家

ブラウトプフの青く澄んだ水面は、まるで鏡のように周囲の風景を映し出します。そのほとりに佇む水車小屋は、昔ながらの鍛造機を持つ鍛冶屋です。1804年から1889年まで伝統的な技法で鍛冶製品が作られていました。その後は機械化されましたが、1956年まで実際に使用されていた鍛冶場です。

ドイツ 青い泉 木組みの家

この歴史ある鍛冶屋で、鍛冶職人の指導のもと、昔ながらの伝統的な方法で刃物を作る貴重な体験ができます。

鍛冶屋体験に参加する場合は、ブラウトプフの公式サイトからの事前予約が必要です。当日はしっかりした革靴、もしくはアウトドア用の靴、綿100%の燃えにくい服を着用。髪の毛が長い方はしっかりと結んで参加してください。


ドイツ中世の面影を残すブラウボイレンと木組の家

ドイツ 青い泉 木組みの家

ブラウボイレンは、大きな火災や戦争を免れたことから、中世の街並みが美しく残る南ドイツの町です。修道院周辺の旧市街には、木組みの家(木骨組建築)が並び、歴史的建造物として保護されています。特にアッハ川沿いの風景は「小さなヴェニス(Klein Venedig)」と呼ばれ、壁に建築年や歴史が記された家も見られます。

ドイツ 青い泉 木組みの家

この町は「ドイツ木組みの家 街道(Deutsche Fachwerkstrasse)」の一部にも登録されています。この街道は、1975年に設立された団体によって管理され、北のエルベ川から南のボーデン湖まで全長3500kmに渡り、ドイツ各地の木組み建築を守っています。

Blaubeuren 2009年と2015年の比較

2009年と2015年に撮影したブラウボイレンの写真を比べてみてください。奥の家の屋根が修復されているのがわかります。他にも何軒かの家が、街並みに合わせ伝統を守りながらリノベーションされています。

青い泉ブラウトプフを訪れた後は、ぜひ旧市街のドイツ木組みの家が立ち並ぶ、メルヘンの世界を散策してください。


青い泉とドイツ木組みの家が立ち並ぶ、ドイツ中世の町ブラウボイレン

ドイツ木組みの家 街道のひとつ、ブラウボイレン。ここはシュヴェービッシェ・アルプのふもとにある町です。この町では、幻想的な青い泉ブラウトプフとともに、中世の木骨組建築が今でも大切に保存されています。

さらにこの地域を深く知るなら、先史博物館(Urgeschichtliches Museum)もおすすめ。この周辺の洞窟には、ネアンデルタール人や氷河期の人類が暮らしていました。そんな古代の人類が残した、貴重な楽器や道具などの出土品が展示されています。なお、自然が好きな方には、カルスト地形の中を歩くハイキングコースも。

また、物理学者アインシュタインの生誕地としても知られるウルムからのアクセスも良好。南ドイツ旅行の際は、ぜひウルムの世界一高い塔を誇る大聖堂も併せて訪れてみてください。なお、ウルムの見どころについては「ドイツ観光・ウルムの伝説と観光スポット6選」で。


ドイツの青い泉・ブラウトプフと鍛冶屋へのアクセス

<ブラウトプフの基本情報>
所在地:89143 Blaubeuren アクセス: <徒歩>ウルム中央駅からブラウボイレン駅までRB(Regionalbahn)で約12分、ブラウボイレン駅から徒歩約20分
<レンタカーなど>ブラウボイレン修道院(Kloster Blaubeuren)近くのアウフ・デム・グラーベン通り(Auf dem Graben)とマウアーガッセ(Mauergasse)が交差するところに無料駐車場あり

<鍛冶屋の基本情報>
所在地:Blautopfstrasse 9, 89143 Blaubeuren

鍛冶屋体験コースの内容:
<Schnupperkurs(体験コース)>所要時間4時間
<Vater & Kind Kurs(親子コース)>両親のどちらか一人と同伴の8歳から18歳までの子供。
<Tageskurs(一日コース)>
<Zwei-Tageskurs(2日間コース)>

最新情報はブラウトプフの公式ページよりご確認ください。
(この記事はトラベルサイトに執筆したものです。その記事を自身のブログに移し、写真や情報を更新しました。)