イタリア北部の都市ミラノは、大聖堂ドゥオーモやスカラ座など、歴史ある建築と文化に彩られた街。中世のヴィスコンティ家時代から、スペイン・オーストリア当時下に築かれた建物が今も残ります。そのため、街を歩くだけで歴史散策も。一方で、ミラノはファッションの最先端都市としても知られています。再開発が進むエリアには、環境に配慮したモダンな建築も多数。古き良き街並みと現代の感性が心地よく融合しています。今回は、歴史と現代が調和するミラノを一日で巡る、おすすめの観光スポットを5箇所選びました。
ミラノ観光のハイライト!ドゥオーモ大聖堂の魅力

ミラノを象徴するゴシック建築の大聖堂ドゥオーモ(Duomo di Milano)。1386年に着工し、ファサードの完成は1813年。その後も細部の建設は続き、最後の門の開通は1965年。完成までの長い歳月の中で、レオナルド・ダ・ヴィンチやナポレオンなど様々な歴史的人物が建設に関わってきました。屋上テラスでは、135本の17mにもおよぶ尖塔が目の前に。さらにはミラノの街並みとその先の山々まで一望できます。
大聖堂内の見学はもちろん、屋上テラスからミラノの街を一望できるチケットも人気。公式サイトでは、シングルチケットや3日間有効なパスが事前に購入できます。


白に淡いピンクとグレーの層が美しく重なり合うカンドリア産の大理石で造られたドゥオーモ。その色彩は、時間帯や天気、そして季節ごとの日差しにより繊細に変化します。また、朝は柔らかなホワイトグレー、夕暮れには黄金に染まり、訪れるたびに異なる表情を見ることがでます。
写真は曇りの日と晴れた日のドゥオーモです。訪れた季節や日時で全く違った印象を受けました。どちらのドゥオーモが好きですか?
所在地:Piazza Duomo、20122 Milano
アクセス:メトロL1、L3、Duomo駅下車、徒歩1分
ミラノ観光で必見!華麗なるガッレリアと幸運のモザイク

ドゥオーモ広場の北側、大聖堂に向かって左手にあるのが「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア(Galleria Vittorio Emanuele II)」。イタリア王国の初代国王の名を冠した、美しいショッピング・アーケードです。また、ミラノのサロン(il Salotto di Milano)とも呼ばれ、地元の人々に親しまれています。
このアーケードにドゥオーモ広場側から入り、まっすぐ進むとスカラ広場へ。世界三大劇場のひとつ、ミラノのスカラ座への近道です。スカラ広場の中心には、レオナルド・ダ・ヴィンチの像があります。

アーケード内には高級ブランドやレストランが軒を連ねます。歩いているだけで、歴史ある優雅な雰囲気に包まれます。その美しさに思わずため息。



中央広場にある、大きな円形のガラス張りドーム天井も見所のひとつ。もしここで、くるりと回転している人を見かけたら、そこには青い旗に描かれた白い牡牛のモザイク画があるはずです。牡牛の股間のくぼみにかかとを合わせて、くるりと回ると幸せが訪れるという言い伝えがあります。ぜひ試してみてください。
所在地:Piazza del Duomo、20123 Milan
アクセス:メトロL1、L3、Duomo駅下車、徒歩1分
ミラノ観光で外せない!スカラ座の内部と博物館を見学

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアを通り抜けると、スカラ広場です。そこには、世界三大劇場のひとつ「ミラノ・スカラ座」が姿を表します。
スカラ座は、初代オペラ座であったテアトロ・ドゥカーレが1776年に焼失したことをきっかけに建設されました。その再建は、当時ミラノを統治していたオーストリアの女帝マリア・テレジアの支援により実現。設計は新古典主義の建築家ジュセッペ・ピエルマリーニによるものです。

併設されたスカラ座博物館では、歴代の舞台衣装や小道具、作曲家や指揮者の肖像画、貴重な資料などを展示。しかもリハーサルやイベントがない日は、ボックス席とホールも見学できます。
この写真は、案内されたボックス席から撮影したもの。赤と金を基調にした豪華な内装は、オペラ鑑賞が叶わなくても一見の価値があります。
博物館では無料Wi-Fiが利用できます。そこで、公式アプリをダウンロードすれば、日本語音声ガイドとして使えて便利です。







劇場ホールには、アルトゥーロ・トスカニーニやジャコモ・プッチーニなどスカラ座とゆかりのある著名な音楽家の胸像が並びます。
スカラ座の劇場内をもっと詳しく知りたい方は、イタリア語と英語のガイドツアーもあるので、事前に時間を確認してから参加してみてください。
ミラノ・スカラ座へのアクセス
「世界産大劇場の一つ!ミラノ・スカラ座』では、さらに多くの写真を載せています。ぜひご覧ください。
所在地:Ingresso Largo Ghiringhelli 1、Piazza Scala、20121 Milano
アクセス:メトロL1、L3、Duomo駅下車、徒歩約2分
ミラノ観光で訪れたいモダン建築!垂直の森

バルコニーから緑が生い茂るツインタワーマンション、ボスコ・ヴェルティカーレ(Bosco Verticale)。ミラノのガリバルディ(Garibaldi)駅周辺の、3地区にまたがるポルタ・ヌオーヴァ地区の再開発地にある建物です。このエコな建物はイタリア語で「垂直の森」と呼ばれています。イタリアの建築家ステファノ・ボエリによる設計で、2014年に完成しました。
住宅の一部は、キッチンの完備したアパートメントホテルとして宿泊できます。なので、ここでモダンなエコ住宅の生活体験を楽しむことも。

遠くから見ると巨大な木が立ち並んでいるようにも見えます。高層階に住む人も緑に囲まれた生活ができ、CO2の削減にも効果のある都会のオアシスのような建物です。
「垂直の森」の周りには、広々とした芝生の広場や子供たちの遊び場があります。今後も周辺の苗木が育って、緑豊かな空間になるのが楽しみな場所です。
「垂直の森」を詳しく知りたい方はこちらの記事へ。
所在地:Via De Castillia 11
アクセス:メトロL2、L5、Garibaldi FS駅下車、徒歩3分、
又はメトロL5、Isora駅下車、徒歩約2分
ナヴィリオ運河沿いを観光!本場のイタリア料理をトラットリアで

ミラノのポルタ・ジェノヴァ駅(P.TA Genova FS)から徒歩5分。そこにエメラルドグリーンのナヴィリオ運河が広がります。今では多くが埋め立てられたミラノの運河ですが、このナヴィリオ地区ではその風情が残ります。

運河沿いには気軽に入れるトラットリア(Trattoria)が軒を連ね、地元ミラノの人々や観光客で賑わっています。さらに、歩きながらメニューやテラス席の雰囲気を見比べて、お店を選ぶのも楽しいひととき。例えばラザーニャひとつをとっても、お店ごとに見た目も様々。盛り付けのセンスが味のヒントになることも。

また、ミラノを歩いていると、バーやレストランで必ず誰かが飲んでいるアペロール・スプリッツ(Aperol Spritz)。レシピは簡単。オレンジリキュールのアペロールとプロセッコを1:1で合わせ、さらにスライスしたオレンジを添えれば出来上がり。甘さとほろ苦さの絶妙なバランスと、発泡酒プロセッコの喉ごしが爽やか。夏にぴったりのカクテルです。
そして、アンティパストとともに味わえば、気分はすっかりイタリアン。運河をのぞめるテラス席で、ゆったりと食事を楽しむのも贅沢な時間です。
アクセス:メトロL2、P.TA Genova FS駅下車、徒歩約5分
ミラノ1日観光のまとめ
ミラノ観光は、ドゥオーモを中心に半径2〜3km圏内で多彩な表情を楽しめます。たとえば、北へ約2.5km進めば、現代建築が並ぶ再開発エリア、ガエ・アウレンティ広場とボスコ・ヴェルティカーレへ。そして、南西に2.2kmほどの場所には、運河が残るナヴィリオ地区が広がります。旅慣れた人なら歩いて回れる距離です。
また、ドゥオーモ周辺とガエ・アウレンティ広場の間にあるスフォルツェスコ城など、途中にも見どころが点在しています。各スポットで寄り道しながら、長い一日を過ごすのも旅の楽しみ。ご自身の旅のスタイルに合わせて、ミラノの観光プランを組んでみてください。
最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
(この記事はトラベルサイトに執筆したものです。自身のブログに移し、内容を更新しています。)