山下公園と臨港パークを結ぶ横浜港沿いには、大さん橋、象の鼻パーク、赤レンガ倉庫、マリンウォーク、ハンマーヘッドクレーン、女神橋、ぷかりさん橋など、横浜の見どころがたくさん。どの場所も、思わずカメラに収めたくなるおすすめ観光スポットです。片道5kmのこの区間は「BAYWALK YOKOHAMA」と呼ばるジョギング&ウォーキングコースです。季節や天気、時間を問わず、その時々で彩りを変える横浜の風景を楽しめます。いつもの散歩道でもあるBAYWALK YOKOHAMA。とはいえ、見慣れた風景はつい素通りしがち。そのため、新鮮な観光客の目線で「いつも」の散歩道を眺めてみようと思いました。
ベイウォーク横浜の観光スポット ① 山下公園からスタート

今回は山下公園から出発して臨港パークに向かいます。山下公園の中央にある噴水の「水の守護神」は、姉妹都市のアメリカ・カリフォルニア州のサンディエゴ市から寄贈されたものです。噴水の背景には、横浜のシンボル「マリンタワー」。その隣には、近代化産業遺産の歴史的建造物に認定された「ホテル・ニュー・グランド」が立ち並びます。さらに、写真の左手には「未来のバラ園」。春と秋のバラの季節には色とりどりのバラが咲き誇ります。
ベイウォーク横浜の観光スポット② 日本郵船氷川丸

噴水広場から港へと進むと、山下公園前に係留保存されている「日本郵船氷川丸」が青い海を背に静かにただずんでいます。かつては北米航路シアトル線の賃客船として運航し、あのチャップリンもこの船で日本を訪れました。
2008年にはリニューアル公開され、巨大な機械室や過去の資料と写真をもとに、当時の姿が再現されています。豪華な特別客室や内装には、当時の優雅な船旅の面影が色濃く残ります。それとは裏腹に、荒れた海を渡る航海は穏やかなものではなかったようです。「氷川丸」は2016年に重要文化財に指定されています。
ベイウォーク横浜の観光スポット③ 大さん橋の屋上広場は絶景スポット!

1894年に竣工し、当時はメリケン波止場とも呼ばれていた大さん橋。現在のモダンな「大さん橋国際客船ターミナル」は2002年に完成した7代目。ダイヤモンド・プリンセス、ウェステルダム、飛鳥II、にっぽん丸などの大型クルーズ客船が停泊するターミナルです。ホールやギャラリーでは様々なイベントも開催されます。

ウッドデッキと芝生でおおわれた屋上広場から眺める「みなとみらい」の街並みは正に「YOKOHAMA」。モダンな横浜の街並みをカメラに納める最高のスポット。ここから眺める横浜の夜景はため息ものです。

屋上広場からぐるりと360度見渡すと、臨港パークから山下公園まで続くBAYWALK YOKOHAMAのコースが一望できます。その先にはマリンタワー。さらに、海の向こうへと続くベイブリッジが、港の風景にアクセントを添えています。
この写真の「ビューポイント」は横浜の特別なスポットのひとつ。「横浜三塔」と呼ばれる、キング(神奈川県庁)、クイーン(横浜税関)、ジャック(開港記念会館)を一度に眺めることができます。ただ、この日はあいにくクイーンがクルーズ船に隠れ、その姿を見ることはできませんでした。



2019年から始まった横浜の冬の風物詩、イルミネーションイベント「ヨルノヨ」。この時期、大さん橋はライトと映像に彩られ、幻想的なプロジェクションマッピングで包まれます。「ヨルノヨ」の開催期間は、毎年11月末から1月初旬頃までです。
ベイウォーク横浜の観光スポット④ 象の鼻パークとテラス

大さん橋と赤レンガ倉庫の中間にある「象の鼻パーク」。1867年に小舟の荷役作業の効率化のため、突堤が延長されました。その結果、防波堤は弓なりの形となり、「象の鼻」と呼ばれるようになります。その後、明治中期頃の姿に復元され、2009年に開港150周年を記念して開園。復元工事の際に見つかった石積みと舗装石材の一部は、現在の石積みに使われています。

象の鼻パークにある「ZOU-NO-HANA TERRACE 象の鼻テラス」にはカフェがあり、アートスペースとしても利用されています。ここのカフェのゾウノハナソフトクリームもおすすめです。
象の鼻テラスの屋上は芝生で覆われたエコな展望スポットになっています。ここからは「象の鼻防波堤」、「横浜ベイブリッジ」、「大さん橋」、「赤レンガ倉庫」もよく見えます。散歩の合間に大小様々なクルーズ船や観光船を眺めたり、横浜観光の休憩スポットとしても便利な場所です。
ベイウォーク横浜の観光スポット④ 赤レンガ倉庫

横浜の観光スポットとして人気の赤レンガ倉庫。ここは模範倉庫として建てられた歴史的建築物のひとつです。内部にはレストランやショップが並びます。また、芸術系のイベントなどが開催される多目的ホールも併設されています。

1号館と2号館のあいだの広場では、季節ごとに多彩なイベントが開かれます。
春は「フリューリングフェスト」というドイツ祭り。秋にはドイツでおなじみのオクトーバーフェストが開催され多くの人でにぎわいます。冬には大きなクリスマスツリーが飾られ、そのまわりにドイツ風の木製ヒュッテ(小屋)が並びます。毎年恒例のこのクリスマスマーケットは、ドイツのヴァイナハツ・マルクトのよう。春・秋・冬とドイツ産のソーセージやビールを味わえます。
ベイウォーク横浜の観光スポット⑤ 新港ふ頭旅客ターミナル

「新港ふ頭旅客ターミナル」は大型のクルーズ船が寄港する国際旅客ターミナルです。ターミナルの先には「ハンマーヘッドクレーン」が海に向かってそびえ立ちます。

新港ふ頭は、旅客ターミナルのほかにも、ホテル・インターコンチネンタル横浜Pier8や、横浜の土産品を扱うショップ、レストランなどで構成された2019年10月オープンの複合施設。1階には和風の茶寮「伊藤園」やラーメン店など、約5店舗が軒を連ねるフードコート風の空間もあります。そして、2階のレストランでは、海と横浜の街並みを一望できるテラス席が人気です。開放感あふれるテラスで景色と食事を楽しめます。
この日は新港ふ頭に寄港していた大型客船アルタニア号の出航日でした。そのため、出稿までのひとときを楽しむ多くの乗客で溢れていました。1階の店舗ではラーメンや日本茶を味わう人たちも。客層はヨーロッパ系の方が多かった印象です。
ベイウォーク横浜の観光スポット⑥ ハンマーヘッドクレーン

新港ふ頭旅客ターミナルの2階から海側のテラスに出ると、横浜の歴史的産業遺構「ハンマーヘッドクレーン」が現れます。この「ハンマーヘッドクレーン」は、1914年に完成した新港ふ頭に設置されたもので、英国・Cowans Sheldon社製の電気定置式起重機です。そして、日本で初めて導入された荷役専用クレーンでもあります。
その名のとおり、ハンマーの頭のような独特の形が印象的です。さらに2007年には経済産業省の近代化産業遺産に、そして2018年に土木学会選奨土木遺産にも認定されています。現在も稼働可能な状態で保存されており、横浜の港の歴史を今に伝える貴重な存在です。

ハンマーヘッドクレーンが置かれたハンマーヘッドパークの夜景。光に照らされたクレーンの姿が、港の夜に静かな存在感を放ちます。ちなみに昼間は、階段に腰を下ろして海を眺める人の姿を多く見かけます。
ベイウォーク横浜の観光スポット⑦ Marin & Walk

「赤レンガ倉庫」と「新港ふ頭客船ターミナル」の間にある「MARINE & WALK YOKOHAMA」は2016年にオープンしたショッピングモール。


ここには、Global Angel Wings Projectの提唱者であり、アーティストのコレット・ミラーによる日本初のエンジェル・ウィングス(天使の羽)が2箇所に描かれています。To Remind Humanity We are the Angels of This Earth・私たちはこの地球の天使だと人類に思い出させるために- 2012年から続くコレットのこのプロジェクトは、アメリカのロサンゼルスを起点に、世界中に広がりました。今では多くの国々の壁に鮮やかな天使の羽が描かれています。インスタグラムなどのSNSでもよく見かける光景です。
ベイウォーク横浜の観光スポット⑧ 女神橋

この写真に写るヨットの帆のようなホテル。その手前に見える白い橋が「女神橋」です。女神橋の両サイドから、海と横浜ならではの街並みの両方を望める場所です。桜の季節には、女神橋の川沿いの桜が見事です。季節を問わず、散策の合間に、カメラを向けたくなる場所のひとつです。

女神橋のふもとには、大型客船アルタニア号を撮影するためにカメラを構える人の姿が。停泊していたのは「新港ふ頭客船ターミナル」。あらかじめ寄港情報を調べて訪れているのでしょう。アルタニア号は、ターミナルが小さく見えるほどの大型客船です。

女神橋から眺めたランドマークタワー周辺と観覧車。雨の日や夕日が沈み始める頃の横浜の街並みは、シルバーグレー色に包まれモダンなイメージに。

ほぼ同じ時間帯ですが、10月中旬に撮った写真はこちら。夕焼けと街の灯りに包まれ、観覧車もカラフルな光で夜を彩ります。その光がゆらめく水面に映り込み、街並みはさらに幻想的な表情に。
ベイウォーク横浜の観光スポット⑨ ぷかりさん橋

「女神橋」から海を眺めると「ぷかりさん橋」が見えます。水面にぷかりと浮かぶ浮桟橋なのでこの愛称で親しまれています。正式名は「みなとみらい桟橋・海上旅客ターミナル」。横浜の水上バス・シーバスや屋形船なども発着する小さなターミナルです。また、2階には港を眺めながら食事ができるレストラン「Pier21」があります。

女神橋から眺める「ぷかりさん橋」の夜景はこちら。暗くなるとライトアップされ、水面に映る光と夜景がとても綺麗です。

「新港ふ頭客船ターミナル」と「ぷかりさん橋」の見慣れた風景に大型客船アルタニア号を入れて写真に収めることができましたが、「ハンマーヘッド」は残念ながらアルタニア号の後ろに隠れてしまいました。

新港ふ頭に入港している船がないときは、ここから「ハンマーヘッド」を眺めることができます。「ぷかりさん橋」の前では、釣りをする人の姿を必ずと言っていいほど見かけます。
ベイウォーク横浜の観光スポット⑩ 臨港パーク

「ぷかりさん橋」から水際沿いをさらに進むと、緑豊かな芝生が広がる「臨港パーク」へと続きます。海風が心地よく吹き抜ける、開放感あふれる空間です。

夏の臨港パークはこんな感じ。横浜港の海水が流れ込む「潮入りの池」に人が集まります。

「潮入りの池」にかかる「アーチ橋」の上には、BAYWALK YOKOHAMAのウォーキング&ランニングコースのスタートとフィニッシュのマークがあります。ここから、自分でBAYWALK沿いのスポットを目的地に設定し、その日の体調に合わせて歩く距離を調整できます。ちなみに、象の鼻パークがちょうど中間地点の2.5kmになります。
今回は「山下公園」からスタートし、「臨港パーク」の「アーチ橋」の上でフィニッシュ。その後もいくつかの場所に寄り道をしながら、横浜駅まで歩きました。その結果、この日は11kmほどの長散歩に。横浜の景色をたっぷりと味わえた一日でした。