鎌倉のハイキングコースのひとつとして知られる衣張山。その中腹には鎌倉石の石切り場跡があります。衣張山の頂上に向かう登山道の途中の、つい見落としてしまいがちな分岐路を進むと、石切り場跡へと続きます。そして、美しい自然に囲まれた山の中腹に、岩肌が切り出された大きな洞穴が姿を現します。歴史と自然が調和した、とても静かな空間です。
ハイキングコースの石切り場跡へと続く分岐点
衣張山の中腹あたりにある大きな石とお地蔵様。ここから石段を登り切ると、衣張山の頂上と石切り場跡にいく道との分岐路になります。登山道は「平成巡礼道」と呼ばれています。この登山道と衣張山の頂上に関しては「鎌倉 ハイキング|衣張山の山頂!映画ロケ地からの風景」をご覧ください。
石段を登り切ると道が二つに分かれます。右側の石段は衣張山の頂上に、そしてこの左側の道を進むと石切り場にたどり着きます。
石灯籠や大きな岩が見えたら石切り場跡はもうすぐ。
美しい自然に囲まれた石切り場跡
衣張山の中腹に位置する石切り場跡は自然に囲まれた静かな場所です。写真で見るとその入り口は小さく感じられますが、実際にその場に立つとかなりの大きさです。
入り口には「石切り場跡」と書かれた表札のような目印があるものの、説明が書かれた看板などはありません。これほど綺麗に残された石切り場の歴史が分からないのは少し残念です。
鎌倉石を切り出した跡が綺麗に残る石切り場跡
岩面には石を切り出した跡が美しい模様のように残っており、その独特の風合いがとても印象的です。実際に石を切り出す作業を見たことはありませんが、岩肌に刻まれた跡を眺めながら、当時の技術や作業の様子などあれこれと思いを巡らせました。
入り口から入るとすぐに、石が四角い部屋のように切り出された場所が現れます。さらにその奥に進むとトンネル状に削られた空間が続いています。奥の方はかなり暗いので、懐中電灯がないとよく見えません。
これは石切り場跡の中から入り口に向かって撮影した風景です。この写真から、内部がかなり薄暗いのがよくわかると思います。先に訪れた衣張山の頂上では、名越切通方面から登ってきた方と出会いましたが、石切り場周辺には人影はありませんでした。そのため、周囲は非常に静かで、歴史に触れつつ自然を十分に満喫できる魅力的なスポットとなっています。
Address:神奈川県鎌倉市浄明寺2丁目8−26
2-8-26 Jomyouji, Kamakura, Kanagawa, Japan