鎌倉の衣張山は標高121メートルの低い山。この頂上に続く「平成巡礼道」という登山道があり、自然と歴史に触れることができる魅力的なハイキングコースになっています。入り口付近の「倒木あり注意」の看板の通り、道には所々倒木がありますが、冒険心を掻き立てられます。山の中腹には鎌倉石の石切り場跡があり、ここも衣張山の山頂とあわせて訪れたいスポットです。石切り場跡があるためか、登山道には階段状に石が並びます。そのため、自然道が多い他の鎌倉ハイキングコースと比べて歩きやすいのもポイント。由比ヶ浜の海岸線と富士山を一望できる衣張山の山頂は、映画「海街diary」のロケ地としても知られています。
衣張山ハイキングコースへの入り口
一般に衣張山ハイキングコースと呼ばれる、衣張山の頂上に向かう山道は「平成巡礼道」という登山道です。かつて「田楽辻子のみち」と呼ばれていた小路に「平成巡礼道」の道標があります。道標が指す方角の住宅地に沿った道をまっすぐ進んで行くと登山道の入り口が現れます。しかし、登山道の入り口に「倒木あり注意」と書かれた看板が。なので、進んでよいものかと一瞬ためらいました。
心を決めて入り口から奥へ。しかし、入ってすぐに倒木に道を阻まれます。
これだけ木が倒れていると、この先登山道が続いているのかも不安になるレベルです。それでも、衣張山の山頂からの眺めと、石切り場跡を見たくて進みます。
鎌倉の自然を満喫できるハイキング
青々とした緑と美しい自然に囲まれた山道は、入り口付近ほど倒木はありません。そして、とても静かです。
ところどころに倒れている木をまたいだり、くぐって先に進みます。
石切り場があるためか、登山道には石が階段状にきれいに並び、歩きやすいハイキングコースになっています。
鎌倉 衣張山の石切り場跡と佇むお地蔵さま
しばらく歩くと、寄り添うふたりの小さなお地蔵様が巨大な石と倒木の間に置かれています。ここまで来れば衣張山の山頂まであと一息。
ここはハイキングコースの途中にある、癒しの空間といった感じのスポットです。まずは写真を撮り、一息ついてから石段をさらに登っていきます。
お地蔵様がいた癒しスポットの横の石段を登り切ると、さらに右側に登る石段が続き、左側には下り道が。この右側の石段を登ると衣張山の頂上です。そして、左の下り道を進むと石切り場跡にたどり着きます。まずは山頂へと向かいます。
鎌倉の桜、玉縄桜
衣張山の山頂には「鎌倉歩け歩け協会20周年記念」の玉縄桜が。玉縄桜は鎌倉の大船フラワーセンターでソメイヨシノとオオカンザクラが自然交配して1969年に生まれた品種。そのため、鎌倉の桜として「鎌倉歩け歩け協会」の創立20周年記念の植樹に選ばれました。衣張山の山頂の他、称名寺や金仙地蔵尊など計6ヵ所に14本植えられているそうです。開花時期は2月下旬から3月下旬で早咲き桜とのことで、この時期に衣張山の山頂にひっそりと植えられた玉縄桜を見に来るのも良さそうです。
衣張山の山頂で海と富士山を一望
衣張山の山頂。121メートルと書かれた小さな山頂の目印がありました。ここにも小さなお地蔵様が置かれています。そして、ここは映画「海街diary」のロケ地としても知られています。
訪れたのは冬(12月)なので、背の高いススキが生い茂り、海岸線を見渡せる絶景スポットとは言い難い風景。それでも、生い茂る草木の間から由比ヶ浜の海岸線と稲村ヶ崎、そして富士山を一望できました。
自然に覆われた衣張山の山頂から見える富士山。ここから由比ヶ浜方面に進むと「お猿畠の大切岸」や「まんだら堂やぐら群」、「名越切通」へと続きます。しかし、今回は通り過ぎてしまった「石切り場跡」へ戻りました。
Address:神奈川県鎌倉市大町6丁目5
6−5 Omachi,Kamakura,Kanagawa