箱根の「仙石原すすき草原」は、富士箱根伊豆国立公園の特別保護地区に指定された自然豊かなスポットです。9月から11月にかけて、一面に広がるすすきが黄金色に輝き、秋の箱根散策にぴったり。「かながわの景勝50選」や「かながわの花の名所100選」にも選ばれています。高さ2メートルのすすきの間に続く遊歩道を歩き、自然の美しさを満喫できます。
広大な仙石原すすき草原の絶景散策路

約22.7ヘクタールにおよぶ草原一帯には、すすきが一面に広がります。すすきは高さ約2メートルにもなり、その景観はとても印象的です。

草原の中央には、全長700メートルの遊歩道が整備されています。

この遊歩道は、入口からまっすぐに延びています。この地域は特別保護地区に指定されているので、この広い草原の中で歩けるのはこの遊歩道のみ。そのため、多くの観光客がこの道を目指して集まります。
すすきと山々が織りなす箱根の風景美

台ヶ岳のふもとに広がる仙石原すすき草原では、歩きながら周囲の山々の美しい景色も楽しめます。

陽の移ろいで変わる、箱根・仙石原すすきの彩り

ここを訪れたのは、11月中旬の午後3時ごろ。太陽をさえぎる雲がひとつもない青空のもと、金色に輝くすすきを眺めながら遊歩道の終点に向かって歩きます。

遊歩道の終点から折り返すと、山の後ろに沈んでいく夕陽が逆光となり、すすきは真っ白な綿毛のように。箱根のすすき草原では、一度の散策で異なる表情のすすきを楽しむことができました。

この写真は、遊歩道の終点から撮影したものです。青空に沈みゆく夕陽が眩しく輝いています。
火山灰土壌が育んだ、仙石原すすき草原の風景

この地域一帯は火山灰土壌で作物の栽培には適さず、また湿地帯でもあります。そのため、かつては茅葺き屋根用の茅を育てる「茅場」として利用されていました。

現在は、雑草林化を防ぐため、毎年3月に「野焼き」が行われています。それにより、美しいすすき草原の景観も保たれています。すすきの見頃は9月から11月下旬まで。