更新日2025-06-13   公開日2024-05-07

三色の藤の花が咲き誇る、長野県下伊那郡豊丘村にある泉龍院。鮮やかで葡萄のような紫、そして房の長いピンクと白の三色藤が境内を華やかに彩ります。さらに、1818年に建立された風情のある山門も見所のひとつ。この山門は村の文化財に指定されています。そんな泉龍院の三色の藤の花と、静かな和の風景を写真でご紹介します。


ピンク、紫、白のみごとな三色の藤の花

藤の花 泉龍院

山門の入り口から泉龍院内に向かって進むと、右側に大きな藤棚が。そこには、咲き誇る三色の藤の花。とりわけ、鮮やかな紫色の葡萄のような藤と、長く伸びた白い藤はどちらも満開です。

藤の花 泉龍院

一方で、淡いピンクの藤は、近くで見ると上の花から枯れ始めている房が何本か混ざっていました。それでも、長い房に沢山の花がついているので気にならず、むしろ満開の白い藤との美しいコントラストが楽しめました。

藤の花 泉龍院

また、丸い紫の花をつけた藤は、房は短めで葡萄のような形をしています。ビビッドな色合いで、ボリューム感と存在感があります。

村文化財に指定されている泉龍院の山門

泉龍院の山門から続く道には、石臼のような丸い石が埋め込まれています。さらに、種類の異なる石が三つずづ綺麗に並べられていて、思わず目を惹かれます。この日はあいにくの小雨日和でしたが、山門から続く丸い石畳は雨で濡れ、それぞれの石の色が際立ちとても美しく感じられました。

ちなみに、この山門は1818年11月に建立されたもので、間口7.2m、奥行き6.3m、高さ12.8mの2層楼です。現在は豊岡村の村文化財にも指定されています。

2階の内陣は七畳の広さがあり、釈迦三尊、四天王、十六羅漢が安置されています。また、内部の柱や扉などが彫刻で覆われているそうです。ただ、残念ながらこの日は閉まっていて中を見ることはできませんでした。

三色の藤の花に加えて楽しみたい、院内の藤の花

藤の花 泉龍院

真っ赤な鳥居の前に植えてある3本の小さな薄紫の藤は、すでに枯れ始めており、花びらが地面に散らばっていました。

藤の花 泉龍院

三色藤の藤棚とは別に植えてあるこの小さな木は、すでに少し枯れ始めてはいるものの、まだまだたくさんの花を咲かせていました。

雨に濡れた松の葉の水滴がきらめき、静かな美しさを放っていました。

中山道の宿場巡りを中津川から北上する形でドライブする旅行の始まりに、都心からの経由地点として立ち寄ったのが、豊岡村河野にある泉龍院です。三色の藤の花を見るのが目的でしたが、風情のある村文化財の山門や、丸い石畳の美しさがとても印象的でした。さらに、院の前にとめてある「じむ兄」も和の風景にスッと溶け込こみ、アクセントを添えていました。

今回は、旅先での人混みを避けるため、ゴールデンウィークの後に出かけました。そのため、時期的に三色の藤の花はもう枯れているかもと半ば諦めていましたが、幸いなことに泉龍院の三色藤はちょうど見頃を迎えていました。

<基本情報>
泉龍院の三色藤
所在地:長野県下伊那郡豊丘村河野3461