横浜らしい港の風景が広がる「象の鼻パーク」は、象の鼻の形をしたユニークな防波堤がある人気のスポットです。ここからは、象の鼻防波堤をはじめ、大さん橋や横浜ベイブリッジ、赤レンガ倉庫、そして横浜三塔まで、港を囲むように360度の景色が楽しめます。
横浜の波止場から防波堤になった象の鼻

「大さん橋」の手前に、ゆるやかに弧を描く「象の鼻防波堤」が長く伸びています。先端が丸く、灰色の防波堤は、その色と形から「象の鼻」と呼ばれ、親しまれています。また、防波堤の手前にある小さな波止場は「ピア象の鼻」と名付けられています。
横浜港が開港したのは1859年のこと。当時は、東と西に2本の直線状の波止場が造られました。その後、1867年に東波止場が弓形に改修されます。こうして象の鼻地区の水域は、波止場としての役割から、物揚場や船だまりへ変化していきました。

遠くから眺めると、細長くて小さく見える象の鼻防波堤。しかし、実際に歩いてみると意外と広く、長い防波堤です。目の前には、みなとみらいの高層ビル街と赤レンガ倉庫が広がり、横浜らしい港の風景が楽しめます。
「象の鼻防波堤」は関東大震災で沈んだ石積みを再利用して、2009年の横浜開港150周年記念事業の一環として復元されました。明治時代の姿をもとに再現されており、歴史と現代が交差する場所としての魅力もあります。

丸いテラスのような象の鼻防波堤の先端。ここから港を眺めていると、小さな観光船近づき、乗っている人たちが笑顔で手を振りながら通り過ぎていきました。
この場所からは、パーティー船や水上タクシー、そして工場地帯を巡る観光船など、さまざまな船が出航していきます。港の風景を楽しめる、観光エリアです。
横浜開港の道から眺める、象の鼻防波堤のある風景

横浜の象の鼻パークには「開港の道・山下臨港線プロムナード」と呼ばれる、かつての鉄道高架橋を再利用した立体遊歩道も。ここから見下ろすと、観光船や水上タクシーが停泊する港の先に、象の鼻防波堤がゆるやかに伸びています。そして、とても小さく見えます。
こうして高い位置から眺めると、防波堤としての役割をしっかりと果たしていると実感。観光船で賑わう港を静かに守るその姿が印象的です。

象の鼻パーク内にある広場「開港波止場」では、結婚写真の撮影に遭遇することも。この広々とした空間は、撮影やアート活動、イベントなどにも利用されています。
広場の奥に見える、塔のある赤煉瓦の建物は、「キング」の愛称で親しまれている神奈川県庁。歴史と風格を感じさせる建物です。
象の鼻テラスの屋上から望む横浜の風景

「象の鼻パーク」にある「象の鼻テラス」の屋上は、芝生で覆われたエコな展望スポット。高さは控えめですが、スロープを歩き気軽に立ち寄れるのが魅力です。このテラスの屋上から望むと横浜らしい港の風景が広がっています。


「象の鼻テラス」の屋上から眺めた港と街の風景がこの写真。この日、「大さん橋」には大型客船が2隻停泊していました。
「大さん橋」と比べると、手前に伸びる「象の鼻防波堤」は小さく、どこか愛らしい印象です。また、右の写真の美しい塔をもつ西洋風の建物は、「クイーン」の名で親しまれている横浜税関。港町、横浜の歴史と景観が調和する、象の鼻らしい一角です。

一方、赤レンガ倉庫側には芝生で覆われた「開港の丘」が広がっています。開放感のあるこの場所では、カップルが海を眺めながらのんびりと過ごしていたり、動画を撮影している人の姿をよく見かけます。
横浜の象の鼻テラスで味わう、ゾウノハナ ソフトクリーム

「象の鼻テラス」の屋上で写真を撮ったあとは、カフェで港を眺めながら味わう「ゾウノハナ ソフトクリーム」も楽しみのひとつ。観光スポットならではの特別感があります。
また、横浜では毎年大晦日のカウントダウン後に、新年を祝う花火が打ち上げられます。ヨーロッパみたいです。打ち上げ場所は、大さん橋と新港ふ頭の2カ所。ちょうどその中間にある象の鼻パークは、花火鑑賞のスポットとしてもおすすめです。
象の鼻パーク Zou No Hana Park
所在地:神奈川県横浜市中区海岸通1丁目
アクセス:みなとみらい線「日本大通り駅」A1出口から徒歩約3分
JR京浜東北 根岸線, 横浜市営地下鉄ブルーライン「関内駅」から徒歩約20分