バルセロナのグラシア地区にあるタパスやワイン、ベルモットを味わえるボデガで牛テールの煮込みを堪能!1896年から続くこのボデガ・マリン(Bodega Marin)は内装もとても個性的で歴史を感じます。毎年ドイツへの里帰り時に必ず立ち寄るバルセロナ。ドイツからわざわざスペインへ移動してまで訪れたいバルセロナには、日本でも知られるガウディ建築などの有名な観光地だけでなく、興味深いスポットもたくさん。今回のバルセロナ旅行でボデガ・マリンに行くきっかけとなったのはドイツのテレビ番組。この番組で紹介された牛テールの煮込み料理に魅了されて行ってみました。
グラシア地区のボデガ、ドイツの番組で話題に
ガウディ建築などの観光名所以外のバルセロナを紹介したドイツの番組を見て、今回のバルセロナ旅行の目的地を絞りました。その中でも一際目を引いたのがこのボデガ・マリン(Bodega Marin)。壁から天井までボトルやメモで埋め尽くされた個性的な店内はかなり印象的。創業1896年当時はどのようなお店だったのかと想像が膨らみます。
ボデガ・マリンを訪ねたのは混まないだろうと期待して平日の火曜日。しかもバルセロナでの夕食にはまだ早めの17:30頃。お店の間口は思っていたより狭く、入り口の外にテーブルがひとつ。テーブルには若いカップルが座り、メニューを手に取って何を頼もうかと選んでいます。入り口のドアには外で待つようにとの張り紙。ドアの両側の縦長の窓は両方とも開いていて、それぞれがカウンターになっています。
個性派ボデガ マリン、バルセロナの老舗
ボデガの入り口の前で待っていると、明るく元気のいい女性が出てきて店内に案内してくれました。そして「ベルムット(ベルモット)飲む?」と笑顔で一言。ベルモット(Vermouth)はカタロニア(カタリューニャ)語でベルムット(Vermut)なのですね。オリーブで飾られたベルモットを飲みながら印象的な店内を眺めました。お酒の瓶がずらりと並ぶ壁には、訪れた人達のポラロイド写真やメッセージのメモがピン留めされています。
棚の上に目を向けると日本のウイスキーなどのコレクションも。先ほど店内に案内してくれた女性はイタリア出身のマネージャー、ベロニカ。明るいバルセロナにさらにイタリアの太陽を運んできたような感じの女性。彼女に聞くと「いろんなお酒を試すのが好きで、日本のお酒やウイスキーも大好きよ」とのこと。
奥まで細長く伸びる店内の左右にはカウンター席。その上の壁一面に飾られたお酒。天井にもボトルが。そして、隙間にはところどころにレトロな人形や電化製品などが置かれています。入り口から向かって左側の奥にはテーブル席もあります。
会話とお酒が弾む、ボデガ マリンの客層
この日の客層は20代から70代くらいの幅の広さ。最初は外のテーブルに1組の若いカップル。店内には奥のテーブル席でPCに向かって仕事をしている中年女性と男性。後から2人連れのお婆様が入ってきて、料理と会話を楽しみながらワインを嗜んでいました。遅くなるにつれ客層が若くなっていく感じ。
帰る頃にはボデガの外でベルモットやワインを飲みながらおしゃべりしている人たちも。
赤ワインと人気のベルモット、バルセロナのボデガ
ベロニカが最初に勧めてくれたのはバルセロナでも人気のベルモット。前にも書いた通り、カタロニア語ではベルムット。オリーブを添えて、ロックでいただくこちらのお店のベルモットは香り高くさらりとした甘さ。
赤ワインは笑顔を振り撒くベロニカのおすすめを2種類。辛口が好きな夫へのおすすめはリオハのHAZAÑA。飲みやすくて辛口ではない赤ワインという私の注文にはガルナッチャ(グルナッシュ)のEnemigo mio。ガルナッチャは酸味や渋みが控えめで好みの味。フルーティーで芳醇な味わいでとても美味しくいただきました。牛テールにもよく合います。
牛テールの煮込みとガリシア産ムール貝のエンサラディージャ
英語のメニューを見て前菜として選んだ「ガリシア産ムール貝のエンサラディージャ。(Ensaladilla with galician mussels €12.50)」。ポテトサラダは卵の風味でジャガイモはほどよい硬さ。トッピングのムール貝とマヨネーズはビネガーが効いていてさっぱり。
こちらがドイツのテレビで紹介されていた料理「牛テールの煮込み。(Oxtail stew with baked potato €24)」。肉が骨からほろっと外れるほど柔らかく煮込まれた牛テールを頬張る姿を見て、今回のバルセロナでは絶対ここで「牛テールの煮込み」を食べると決めていました。
皮付きのジャガイモと一緒に盛られた牛テールはドイツのテレビ番組で見た通り。フォークでつつくと柔らかい肉がホロリとホロリと骨から外れます。そしてほどよい塩味で深みのある味わい。牛テールは高タンパクでコラーゲンも多いのでさらに嬉しい。
ヤギのミルクで作るチーズケーキをデザートに!
デザートは「サン・セバスティアンのヤギのチーズケーキ(San Sebastian’s goat cheese cake €7.50)」。ヤギや羊のミルクで作ったチーズが好きでよく食べますが、チーズケーキにしたものは初めて。とてもクリーミーでヤギのミルクの特色はそのまま。よく冷えていて、暑さの残るバルセロナでのデザートにぴったりでした。
ちなみにこのバルセロナのボデガは犬の同伴も可能。
訪れた日も店外だけでなく、店内にも犬を連れてきているカップルがいました。
Address:Carrer de Milà i Fontanals, 72, Gràcia, 08012 Barcelona
Instagram: www.instagram.com/bodegamarin/