更新日2024-04-10   公開日2023-09-19

バルセロナの街並みを遠くから眺めるとひときわ目立つ「3本の煙突」。この煙突は「労働者のサグラダファミリア」と呼ばれることも。2011年に火力発電所が閉鎖された後もこの3本の煙突とタービン室は取り壊されることなくバルセロナの産業遺産として残されています。


1973年に建設された火力発電所の3本の煙突

バルセロナの産業遺産・3本の煙突

「3本の煙突 (Les Tres Xemeneies)」はバルセロナ県バルセロナ市に隣接するサント・アドリアー・ダ・バゾス市(カタロニア語:Sant Adrià de Besòs、スペイン語:San Adrián de Besos)の中央を流れるバゾス川の北側にあります。1973年に建設された火力発電所の「3本の煙突」はそれぞれが独立して稼働し、出力は各350MW。「3本の煙突」のひとつは電力の必要量に応じて稼働していました。

バルセロナの産業遺産・3本の煙突

「3本の煙突」の建物全体の高さは200メートル。建設当初は90mの煙突をボイラーを収める90mの建物の真上に設置した180mの建物でしたが、バルセロナの都市圏を調べた高層気象観測の結果、気温の逆転層が170〜190mに位置していたことから、煙突の高さを20m追加して200mになりました。煙突の先端の細い金属部分が追加された箇所です。

バルセロナの産業遺産・3本の煙突

2011年に最後の煙突が稼働停止となり、閉鎖された火力発電所の広い敷地内に残された「3本の煙突」。
この発電所を所持していた電力会社 エンデサ (Endesa) は発電所全体の解体を計画していましたが、この「3本の煙突」を産業遺産として保存したいという市の強い意向で解体を免れました。

バルセロナの産業遺産・3本の煙突

火力発電所跡の広大な敷地は壁で囲まれ、中央に残されたタービン室と「3本の煙突」だけがコンクリートのオブジェのようにそびえ立っています。

バルセロナの産業遺産・3本の煙突

現在この地域では環境に配慮した都市再開発への取り組みが行われ、「3本の煙突」とタービン室を地域の文化施設などとして再利用するためのプロジェクトも進められています。


バルセロナの絶景スポット、ブルケンズ・デル・カルメルからの眺め

バルセロナの産業遺産・3本の煙突

バルセロナを一望できるスペイン内戦時の高射砲陣地跡「ブンケルズ・デル・カルメル」から見ると、巨大な建物であることがよくわかります。青い海と空を背景に自身の存在を誇示するかのように建ち並ぶ3本の煙突は遠くから眺めるとひときわ目を引きます。ガウディのサグラダファミリアよりも高く、バルセロナで最も高い建築物です。


バルセロナの産業遺産・3本の煙突の海岸沿いの周辺写真

バルセロナの産業遺産としての再利用プロジェクトも進む中、2018年3月には土地の除染作業も終了し、今では火力発電所跡のすぐ横にモダンなマンションが立ち並び、目の前に広がる青い海で海水浴を楽しむ人も。かつては環境汚染に悩まされていたこの地域がどのように再開発されていくのか、そして「3本の煙突」とタービン室が今後どのような施設として再利用されるのか今後も注目していきたいと思います。

<基本情報>
所在地:08930 Sant Adrià de Besòs, Barcelona, Spain
アクセス:Sant Adrià de Besòs駅から徒歩で5分ほど。

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