バルセロナのカタルーニャ音楽堂は「Palau de la Musica」と呼ばれています。直訳は「カタロニア音楽の宮殿」。コンサートホールとして現在も使用されています。バルセロナのユネスコ遺産のひとつで、宮殿のように美しい音楽堂の内部を見学するにはツアーへの参加が必須。旅先でのコンサートも楽しみのひとつですが、観客のいない時間のガイドツアーもおすすめ。壮麗な内装をゆっくりと見て回るのも贅沢な時間です。
バルセロナのユネスコ世界遺産のひとつ、カタルーニャ音楽堂
バルセロナ出身の建築家リュイス・ドメナク・イ・ムンタネーが設計したカタルーニャ音楽堂。現在も使用されているモデルニスモ様式のコンサートホールです。同じムンタネーの建築作品でバルセロナ市内にあるサン・パウ病院と共に1997年にユネスコ世界遺産に登録されました。
若くして教授となり、バルセロナの建築において影響力を持ったムンタネー。彼はアントニ・ガウディの師匠でもありました。
旧玄関ホールを彩るカタルーニャの守護聖人サン・ジョルディと音楽家の彫刻
カタルーニャ音楽堂の旧玄関ホールに向かうと目を引く数々の彫刻。建物の門を彩るのはミケル・ブライによるカタルーニャの守護聖人サン・ジョルディ像。
花模様の美しいモザイク飾られたバルコニーの柱の上にはベートーヴェンやバッハ、ワーグナーなど著名な音楽家の彫刻があしらわれています。
旧玄関ホールを支える柱にある小さな可愛いタイル張りの窓はかつてのチケット売り場です。
話はそれますが、バルコニーからかけられた赤と黄金の幕はカタルーニャの旗。このブログの更新用にバルセロナで再び写真を撮影したのが2024年9月11日。この9月11日は1714年のスペイン継承戦争でカタルーニャが敗北した日です。この出来事と民族意識を忘れないための記念日として至る所にカタルーニャの国旗が掲げられます。
ガラス張りのモダンなエントランスとチケット売り場
旧玄関ホールに向かって左側はパラウ・デ・ラ・ムジカ通り。この通りを進むとガラス張りのモダンなエントランスのあるチケット売り場へ。
カタルーニャ音楽堂の入り口でもあるガラス張りのモダンな建物。ガラス越の奥に赤レンガの伝統的な建物が透けて見えます。この二つの建物のコントラストが絶妙です。
カタルーニャ音楽堂はオルフェオ・カタラ合唱団の本拠地として、1905年から1908年にかけて建てられました。チケット売り場の入り口にも「オルフェオ・カタラ」と刻まれたレリーフが埋め込まれています。
カタルーニャ音楽堂内のカフェ横にある集合場所から出発
ガイドツアーの集合場所はガラス張りの入り口を入ってすぐ。時間になるとガイドさんが出てきて声をかけてくれます。早めにチケットを購入して、集合時間になるまで中のカフェでくつろぎながら、美しい内装をゆっくりと眺めるのも贅沢な時間です。集合時間になるとガイドさんの呼びかけで、ツアー参加者がカフェの横に集まってきます。
最初に向かうのはオルフェオ・カタラ合唱団のリハーサルルーム。床には音楽堂の礎があります。最初にここの椅子に座り、歴史などを紹介するショートフィルムを観ます。それから10~20人ほどの2グループに分かれて上の階へと進みます。
大理石の階段の手すりは光を受けてあめ色に輝くガラス管で支えられています。
音楽堂にあるルイス・ミレーホールの美しいバルコニー
階段を上り向かうのは合唱団の創設者のひとり、ルイス・ミレーの名に因んだルイス・ミレーホール 。このホールはイベントや展示会、記者会見などにも利用されています。
このホールにあるのがカタルーニャ音楽堂の有名なバルコニー。花模様のモザイクで彩られたカラフルな美しい柱が並びます。旧玄関ホールの入り口の上に位置しています。
コンサートホールのパイプオルガンと天井の鮮やかなステンドグラス
花模様のルイス・ミレーホールを眺めたら、いよいよコンサートホールの1階へ。先ず目に入るのは舞台の上部にあるパイプオルガン。ドイツのヴァルッカー社製のパイプオルガンです。舞台の背景に飾られた表情豊かな女性の彫刻もとても美しく、細かいモザイクで彩られた衣装は必見です。
このホールの天井を見上げると女性の顔が描かれた色鮮やかなステンドグラスが。
1階のパイプオルガンや舞台の説明を聞いた後は、3階席に移動してコンサートホール全体を眺めます。1階のホールから見上げた天井のステンドグラスが間近に。ここから見ると予想以上に大きく立体的です。
様々な彫刻、ステンドグラス、モザイクが飾られ、それぞれが見事に調和したカタルーニャ音楽堂のコンサートホール。窓や天井、柱の装飾の細部に至るまでその美しさに圧倒されます。
3階席ではガイドの説明を聞きながら、自由に歩き回って写真や動画を撮ることができるのも嬉しいポイント。
モザイクやレリーフ、彫刻で埋め尽くされた天井も一つ一つ眺めると時間が経つのを忘れるほど。そしてツアーはここで解散。その後は自由に写真を撮ることができます。エントランスホールに戻りながら美しい内装をゆっくりと眺めるのもいいですね。
ステンドグラスの窓から差し込む柔らかな日の光に包まれた内装の美しさ。これは夜のコンサートでは見ることのできないツアーならではの体験です。
壮麗なモデルニスモ建築様式を堪能できる、ユネスコ世界遺産のカタルーニャ音楽堂。フロアの壁画や階段、シャンデリアなど、どこを見ても絵になります。芸術あふれるバルセロナに来たら、絶対に訪れたい場所のひとつです。
Address:Palau de la Musica, 4-608003 Barcelona
Official Home Page:www.palaumusicacat/en/
最新の情報は 公式サイト www.palaumusicacat/en/などでご確認ください。
(この記事はトラベルサイトに執筆し掲載されたものを自身のブログに移し、写真や情報を追加して更新したものです。)