ヴェネツィアの街中を歩いているとよく見かける井戸。
井戸の周りには4ヶ所ほど雨水を集める穴があり、雨水は地下にある貯水槽にたまります。水を通さない粘土質の土で造られた貯水槽には、粒の大きさの異なる砂の層がフィルターとして敷き詰められています。このフィルターを通して流れた雨水を井戸にためて貴重な淡水をあつめます。
水の都と呼ばれるヴェネツィアですが、周り中が海なので、昔は貴重な飲料水を確保するために必要な井戸でした。ヴェネツィア市内を歩きながら、ポンペイ遺跡の家に残る、雨水を生活用水として使うためのアナトリウムの貯水槽を思い出し写真を撮りました。数あるヴェネツィアの井戸の中でもフォルムと立地が絵的に気に入ったのがこの井戸でした。(撮影日:2019年8月11日)
2021-11-17