更新日2024-06-25   公開日2021-10-13

湖の多い南ドイツのバイエルン州。その中でも一番大きなキーム湖(Chiemsee)に浮かぶヘレン島(Herreninsel)にはフランスのヴェルサイユ宮殿を模して建てられたルードヴィッヒ2世のヘレンキームゼー城(Neues Schloss Herrenchiemsee)があります。キーム湖はミュンヘンとオーストリアのザルツブルクのちょうど真ん中あたりに位置する、避暑地としても人気のある湖です。

キームゼー鉄道の駅があるプリーン・アム・キームゼーからヘレン島へ

キーム湖に浮かぶ3つの島のひとつヘレン島には、キームゼー鉄道の駅があるプリーン・アム・キームゼー(Prien am Chiemsee)から遊覧船で向かいます。

船からはf3つの島の中でも一番小さなクラウト島(Krautinsel)やフラウエンヴェルト女子修道院(Abtei Frauenwörth)があるフラウエンキームゼー島(Frauencheimsee Insel)を眺めることができます。

キーム湖を渡りヘレン島に着いたら、馬車でゆっくりと緑が広がる島の風景を眺めながらお城に向かうことができます。歩いても15分ほどの道のりなので、緑に囲まれた道を散歩がてらにお城まで歩いていくのもおススメです。

ヘレンキームゼー城の内部は見学できますが写真撮影は禁止されているため、ヴェルサイユ宮殿より8mも長い鏡の間や豪華なルードヴィッヒ2世の寝室や宮殿の内装は旅の思い出として記憶に留めるのみというのが少し残念です。

ヘレンキームゼー城とヴェルサイユ宮殿を比較

権力を持ち君臨した「太陽王」ルイ14世と比べてルードヴィッヒ2世は自らを「月の王」と呼んでいました。ルイ14世が1682年に着工し約50年の歳月をかけて完成したヴェルサイユ宮殿と、1878年に建設を始めたヘレンキームゼー城は窓などの建築素材やトイレの有無などの違いはあるものの、二つの宮殿を見比べてみるとバルコニーや彫刻など細部に至るまでほぼ同じように造られています。

ルードヴィッヒ2世の死後に建設が中止され内装は20部屋ほどしか完成していません。建物も中央部分のみでヴェルサイユ宮殿のように左右に伸びる翼棟は左翼が建てられていたものの1907年に取り壊されてしまいました。

ヘレンキームゼー城とヴェルサイユ宮殿のラトナの噴水を比較

城の正面から庭をまっすぐ通り、湖まで続く900mほどの道の中央にあるラトナの噴水(Latona Fountain)もヴェルサイユ宮殿の噴水と同じように造られています。この噴水と湖のほとりに予定されていた船着き場は未完成のままとなっています。ラトナの噴水が完成していればヴェルサイユ宮殿の噴水と同様に装飾の彫刻が金色に輝いていたのでしょうね。


ヘレン島とヴェルサイユを同時期に訪れてヘレンキームゼー城とヴェルサイユ宮殿を見比べてみると、この宮殿の建設に込めたルードヴィッヒ2世の太陽王に対する思いや、歴史的な時代の移り変わりと王室の在り方など考え深いものがあります。

<基本情報>
所在地:Schlosspark Herrenchiemsee, 83209 Herrenchiemsee, Germany
アクセス:プリーン・アム・キームゼー駅(Prien am Chiemsee)から遊覧船

キーム湖で立ち寄ったドイツ料理レストラン

ヘレン島からプリーン・アム・キームゼー(Prien am Chiemsee)に戻り立ち寄ったホテル・ノイヤー・アム・ゼー(Hotel Neuer am See)のレストランでは、キーム湖で獲れる魚やシュニッツェル(Schnitzel:ドイツのとんかつ)などの美味しいドイツ料理が味わえます。カフェとしても利用できるのでティータイムにも立ち寄れます。

写真は日替わりのおすすめ料理、鴨のローストにカルトッフェル・クヌーデル(Kartoffelknödel)と紫キャベツ(Rotkohl)を添えたもの。 私が大好きなクヌーデルはイタリアのニョッキを大きく丸めたようなジャガイモ団子です。

カラフルな花で彩られたバルコニー付きのホテルルームからはキーム湖を眺めることができます。

<基本情報>
Hotel Neuer am See
所在地:Seestraße 104 83209 Prien am Chiemsee, Germany
アクセス:プリーン・アム・キームゼー駅(Prien am Chiemsee)から