更新日2024-02-02   公開日2020-08-15

南ドイツのウルムから西へ18kmほどの町、ブラウボイレンにある青い泉ブラウトプフ。日本語の直訳は「青い鍋」。鍋のような美しい青い泉の底はトンネル状に奥深く、ユネスコ世界ジオパークに認定されているシュヴェービッシェ・アルプのカルスト地形の地下に伸びて洞窟と繋がっています。青い泉のほとりにある水車小屋では伝統技法の鍛冶屋体験もできます。木骨組建築の家が立ち並ぶ中世の面影を残したブラウボイレンの町も一見の価値あり!


シュヴェービッシェ・アルプとブラウトプフ

ユネスコ世界ジオパークに認定されているシュヴェービッシェ・アルプ(Schwaebische Alb)とその周辺はカルスト地形で、多くの洞窟や鍾乳洞があり、山肌から白い石灰岩がのぞく美しい風景が見られます。その中でもブラウトプフは特に重要なジオポイントとして2019年に認定されました。

水が浸透しやすい石灰質の土壌は雨水を川や湖に流さず地下にため込むため、石灰を含んだ地下水がブラウトプフに湧き出てきます。そして水中の石灰の微粒子が光を散乱するため、ブラウトプフは鮮やかな青色になるのですね。

晴天が続く日に訪れると、ブラウトプフの透明度がとても高く、泉の中に茂った緑色の藻がクリアブルーの水の中でゆらゆらと動きとても幻想的な光景を見ることができます。

ブラウトプフはこちらの写真のように乳白色とブルーが混ざり合った色になることもあります。

ブラウトプフに湧き出てくる水量は一秒間に250リットルから32670リットルにも及び、水量が多くなるのは雨の続く日や雪解け水が地下に流れ込む季節。このような湧泉の水量や天候により、青い色にも変化が見られます。

1957年に二人のダイバーが調査の為ブラウトプフの中にもぐり、泉の底からトンネル状に続く水中を泳ぎ22メートル先にある洞窟までたどり着きました。

現在は11km以上にも及ぶブラウトプフ洞窟の調査が進んでいます。途中には鍾乳洞に覆われた大きな空洞などもあり、ブラウトプフの入り口にはダイバーが写した洞窟内の写真や詳しい説明が書かれた案内板もあります。

表面は鏡のようにまわりの草木や人がキレイに映し出され、水の中を眺めていると吸い込まれそうになります。調査隊が泉の底に潜って調査を進めたくなる気持ちがわかるような気がしますね。


鏡のような青い泉のほとりにある鍛冶屋

青い水面に水車小屋やカフェ、修道院が映し出された風景はまるで絵画のようです。

ブラウトプフのほとりにある水車小屋は昔ながらの鍛造機を持つ鍛冶屋です。1804年から1889年まで伝統的な方法で鍛冶製品が作られていました。その後は機械化されましたが、1956年まで実際に使用されていた鍛冶場です。

ここではブラウボイレンの鍛冶職人の指導を受けて、刃物を昔ながらの伝統的な方法で作る貴重な体験ができます。

見学だけではなく鍛冶屋体験に参加する場合は、事前にブラウトプフの公式サイトからの予約が必要です。当日はしっかりした革靴、もしくはアウトドア用の靴、綿100%の燃えにくい服を着用して、髪の毛が長い方はしっかりと結んで参加してください。


木骨組建築の家が立ち並ぶブラウボイレンはメルヘンの世界

ブラウボイレンの町は大きな火災や戦争に巻き込まれることがなかったため、現在でも中世の美しい街並みが残されています。修道院周辺の旧市街に築かれた木骨組建築の家々は、歴史的建築物として保護されています。

写真のアッハ川(Ach)沿いに家が立ち並ぶ風景は地元で「小さなヴェニス(Klein Venedig)と呼ばれています。

ブラウボイレンは数多くの木骨組建築の建物が大切に残されていることから、「ドイツ木組みの家街道(Deutsche Fachwerkstrasse)」のひとつに登録されています。建物の歴史が壁に書かれた家も何軒かあります。

ちなみに、「ドイツ木組みの家街道」はドイツ国内の様々な様式の伝統的な木組みの家を保護する目的で1975年に創立された登記社団に管理されており、登録されている地域は、北ドイツのエルベ川沿いから南ドイツのボーデン湖まで3500kmにも及びます。

Blaubeuren 2009年と2015年の比較

こちらの写真は2009年と2015年のブラウボイレンの街並みを比較したものです。写真内の矢印をスライドして見比べてみてください。2009年は10月に、2015年は9月に訪れたので季節的にはほとんど変わりませんが、通りの奥にある家の屋根が綺麗にリノベーションされていますね。街並みや歴史的価値のある建物を保存しながらも快適に改装しなおしている建物がこのほかにも何件かありました。

幻想的な青い泉、ブラウトプフで自然に触れた後は、ブラウボイレンの旧市街を散策して、中世ドイツの街並みを眺めながらメルヘンチックな時間を過ごしてみてください。


ブラウトプフと中世の町ブラウボイレンのまとめ

中世の木骨組建築の建物が大切に保存されている、シュヴェービッシェ・アルプのふもとにある町ブラウボイレンと幻想的な青い泉ブラウトプフをご紹介しました。

ブラウボイレンをもっと楽しむなら、先史博物館(Urgeschichtliches Museum)もお勧め。周辺一帯の洞窟で暮らしていたネアンデルタール人や氷河期の人々が残した作品や楽器などの発掘物が展示されています。

自然が好きな方には、ハイキングコースも。その他にも見どころがたくさんあるので、是非一度訪れてみてください。


<ブラウトプフの基本情報>
所在地:89143 Blaubeuren アクセス: <徒歩>ウルム中央駅からブラウボイレン駅までRB(Regionalbahn)で約12分、ブラウボイレン駅から徒歩約20分
<レンタカーなど>ブラウボイレン修道院(Kloster Blaubeuren)近くのアウフ・デム・グラーベン通り(Auf dem Graben)とマウアーガッセ(Mauergasse)が交差するところに無料駐車場あり

<鍛冶屋の基本情報>
所在地:Blautopfstrasse 9, 89143 Blaubeuren

鍛冶屋体験コースの内容:
<Schnupperkurs(体験コース)>所要時間4時間
<Vater & Kind Kurs(親子コース)>両親のどちらか一人と同伴の8歳から18歳までの子供。
<Tageskurs(一日コース)>
<Zwei-Tageskurs(2日間コース)>


最新のコースの内容や所要時間は公式ページよりご確認ください。
(この記事はLINEトラベルに掲載されたものを自身のブログに移し、写真や情報を更新したものです。)